浮世煙草・宮下遊・造花「歌詞」
「お一つ、 どうだい」
「いやいや、お目が高い」
「どうなるかは、 知らないよ。」
「いらっしゃい。」
頸飾に赤下駄 箱を背負った商人
道すがら手記をつけ 行く
曰くもの売り歩き
秋風が吹いてゆく
霧雨を鈴と浮世に
降らせて
セッカの月に
座押さえて灰箱を開く
烟草ふかして
暖簾を張る
イバナの手に 夢を欠いて見繕う
宿木 ハイカラな筆を売る
幾年月流れ とかく届いて
詩に書けた心買う
枯れた月に座を引いて
鳥居をくぐり巻き戻す
社にキリンの足音
襖を一枚二枚で
眼を閉じる
社に木魂獅子の声
うつろい眼を開けば
凪がれ着く
イグサの島に歩み寄り灰箱を開く
烟草ふかして尾根を歩く
アザミの空 色を見せて尋ねる
言霊 宿の無い心売る
幾年月流れ 袖を通して
詩に遂げた想い買う
萩の名残 慎んで
社を跨ぎ舞い戻る
白州にキリンの招き猫
話を一つ二つ 耳を貸す
月夜に木魂ハギの声
想い 売って商人は
慌しく。
永久に 彷徨い 現世を 渡る
奇怪な出で立ちに
あざけり噂を残す
希うものを売り
いらざるものを買いて
いつの間にか消える
煙草をふかして
城郭にキリンの足音
歌を買い箱に仕舞い
社に閉じ込めて
水面に降る木魂ミモザへと
歌を売り育たるその日まで
頸飾に赤下駄 箱を背負った商人
道すがら手記をつけ 行く
曰くもの売り歩き
潮風が凪いでゆく
朧雲を鈴と月夜に
届けて
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歌詞 楽曲 宮下遊
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